2008年02月12日

親友の嘘

月曜の夜のこと。
何人かで飲みに出かけていたのだが、そんな時クラウディオの元に1件の着信携帯電話があった。
横でそれを聞いていた私、すると事態はなんだか雲行きが怪しく、いつしか彼は真顔で話し出した。

「えっ、マジで?」
「で、大丈夫なの?」
「何してんだよ!」
「今どこ?病院?」

そのうち「手首を切っただなんて、お前どうかしてるよ!」なんて言い出すから、
えーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!どんっ(衝撃)どんっ(衝撃)どんっ(衝撃)って。

電話の口を押さえてクラウディオがこそっと私に伝える。
・・・電話の相手はロイだと言った。
ロイなら私も知っている。クラウディオの1年来のバルセロナ人の親友だ。
その彼が手首を切って、病院へ担ぎ込まれたと言うのだ。

電話を切った後、クラウディオは
「ごめん、ちょっと抜けるわ。病院へ行かなきゃいけない。手首を切っただなんてバカなことして。たぶん彼女に振られたんだな・・・」と言うと、ジャケットを羽織って颯爽と店の外へ出て行った。

友人の緊急の呼び出しに、自分のことは放っておいてでも相手のために飛び出せる関係っていいよなぁ。
以前クラウディオは「ロイのためならどんなことがあっても、真夜中であっても駆けつける。それくらいあいつはいい奴なんだよ」と私に教えてくれていた。たかだか1年の知り合いとはいえ、そこまで大事に思える人に出会えたということそのものがもう宝だよなぁと思っていた。
そのロイが手首を切って今病院にいる・・・

去り際「ほんとごめんね、急に抜け出すことになって。ほんとごめん」とクラウディオは何度か謝ったが、「そんなの気にしないで。ロイとあなたは親友なのを知ってるから、さぁ行ってあげて!」と送り出した。どうかロイが無事でありますように!と祈りながら。

で、その後も他の仲間と店にいたixel。

30分後くらい?

あれ?

クラウディオが戻ってきた。

あれ?
あれ?
あれ?

どったの?

訊いたら。

「手首切ったっていうのはだった」

だって。

exclamationexclamationexclamationexclamationexclamation

なんだ〜嘘かよ〜〜〜!!!

ホッとしたのと同時に、私にこみ上げてきたのは怒り。こんな夜中に人を呼び出しといて、驚かすようなこと言って、それで嘘と。私は動いてないし、電話がかかってきたのはクラウディオだし、関係ないといえば関係ないが、クラウディオに至ってはタクシーに飛び乗って病院への道を急いでいた時にもう一度電話したら「嘘だよ」と言われたんだとか。「5ユーロも払ったってーの!」って。

別の場所で飲んでいたロイが酔っ払ったものだから、それで電話で嘘なんかついたらしい。正気じゃないだけ許せるが、これが私の友達だったらちょ〜っと怒っちゃうよ?

本当に本当に困っていて私を必要としている人になら、深夜だろうと迷わず駆けつけるつもりでいるけれど、嘘だけは勘弁だな。

日本人である私の方が、こういうところ頭が固いような気がした。バカな冗談を許せないというか、冗談として受け止められないというか。真面目だからかな。度々そんな印象を受ける。

ま、クラウディオは今後もロイと仲良くやっていくんだろうと思うからいいんだけど。
posted by ixel at 18:34| パリ 🌁| Comment(4) | TrackBack(0) | memo/雑記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは。お久しぶりのSOLLAです。
あ、でも、いつもBLOGは楽しみに読ませていただいているので、一方的に久しぶり感は薄かったりしますけど。

今回の記事、すごい考えさせられてしまいました。
依存心の強さから人の心を試してしまう、そういう心理は多分みんなどこかにあるものなのかもしれませんね。

自分に余裕があるときは、そういう誘惑に飲まれないでいられるし、多分オトナはたいてい抑えている欲求なのかもですけど。
こういうことしてつい友達の心を試してしまうロイは、きっと不安を抱えている人なんでしょうね。
でも、それって最終的には周りの人を疲れさせて、ますます皆を遠ざけることになってしまって、「ほら、やっぱりね、友達っていってもそんなものだろ」と嘯くことになる。それってすごい悲しい...。

彼が、今回のことで、そうやって夜中でも駆けつけてくれる親友のことを大切に思う気持ちに気づいてくれたらいいですね。

私も、不安だったり、寂しいときほど、やり方を間違えないで、大切な人に「あなたが好きで、すごく大切に思ってるよ」って伝えられたらいいな、と思います。

お酒を飲みながら、こういうことを書くと、センチメンタルになりすぎてよろしくないです...。私も年ですかねえ(涙)
Posted by SOLLA at 2008年02月15日 06:26
あんまり意味のないうそは好きじゃないな。

エイプリルとかさ、駆けつけた先が
サプライズパーティーだったとかさ
そんなんだったらね・・・。
Posted by fossil vivant at 2008年02月15日 12:29
>SOLLAさん

こちらではお久しぶりでございます(笑
いつも読んでいてくださるとのこと、大変嬉しいです。有難うございます。
スペインブログも残すところ1ヶ月かと思うと何だか寂しいですね。

どうしてそんな嘘をついたのか、ロイの本当のところの気持ちは分かりませんが、SOLLAさんの仰るとおり、どこかで人の気持ちを試したかったというのはもしかしたらあるかもしれませんね。
私はこの話を聞いた時、スペイン人がそこまでして親友の心を探るかなぁという気もしたので「あれ、もしかして騙された?ハハハ嘘だよ〜ん」というノリだったのかなと勝手に想像していました。

それにしても手首切ったっていう嘘はあまりにひどいですよね。誰だってこんな電話を受けたら家から飛び出して親友に会いに行くでしょう。
問題はその後。そこまでしてくれる友を反って失う結果を招くようではいけませんよね。嘘も方便と言うし、使い方次第です。

ところで今回の日記は思ったより反響があったので書いてよかったなと思っています。読んだ皆さんそれぞれが何か考えるきっかけになったみたいです。その中でも先陣を切って書き込みをして下さったSOLLAさん、有難うございました。_(._.)_
Posted by ixel at 2008年02月19日 01:09
>fossil vivantさん

そう、嬉しくさせるような嘘ならね。

私は嘘をつくのが上手かったり下手だったり、時と場合によっていろいろ。
相手を喜ばせるための嘘は好きだけれど、相手の驚いて喜ぶ顔を想像するだけで偶ににやけてくるのでばれない様に注意が必要です。(笑
Posted by ixel at 2008年02月19日 01:16
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